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さあ、呼吸を始めよう。
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眠れない夜には本を読む。
例えば、詩集や歌集を読む。

言葉が頭に氾濫する。
スパークする。
発火する。

詩のフレーズに、触発されて新しい言葉が産まれてくる。

それを制御することは、できない。

抽象だけで、あるいはイメージだけで、形にならないからだ。

もっと具象がほしい。
形ある言葉がほしい。
匂いある言葉がほしい。
味わいのある言葉がほしい。
手で触れられて、重さのある言葉がほしい。

誰のものでもない自分だけの言葉がほしい。

自分だけの。
自分だけ。
自分。




自分の言葉で語りたい。
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 ぼくの想いはあの人には届かないのだね、きっと、必ず、絶対に。だって誰も超能力者ではないから。伝えないと分からないんだ。

 会ったことのない人。話したことのない人。本名も知らない人。あなたが幸せならぼくも幸せだ、なんてことが云えるならいいのだけど無理みたい。

 だって、心臓の拍動が切なく響く。その度にあなたが一人ならばいいと思ってしまうぼくはどうしたらいい。こんな時間にこんな文章を打っているだけか。

 あなたが今、誰のとなりで寝ているか知らないが、ぼくは独り。晩夏の夜。あなたは今、幸せだろうか。ぼくはいま幸せだろうか。

 ぼくの想いは決して届くことはない、という事実。あなたにこのことを伝える勇気もないぼくは、そっとこんな文章を書いている。

 顔も知らないあなたのことを考えると胸の拍動が痛いほど高まる、という事実。

 あなたはきっと誰かの腕の中。そんなことを考えてばかりのぼくは惨めで卑しくて、極まっている。

 あなたがテレパスでなくてよかったな。

 ぼくはぼくの幸せを祈る。
 ついでにあの子もさらっていこう。

 赤信号も全部無視して。
 哀れ、我、死なんと欲す、と誰だっか、いつかの詩人がそんな詩を書いていたけれど、そんな気持ちが分かると云ったら大袈裟にすぎるかもしれないけれど、訳の分からない感情が胸の中に渦巻いていて、どうすればいいのか分からない今日このごろ。


 いや、でも本当は分かっているのだ。



 それは、恋。のようなもの。好きな人が出来たらしい、のかなあ…。こんなことを書いてしまうと本当にそんな気持ちになってしまうような気がするけれど、いや、そうではなくて、嘘ついてるというわけでなくて、この焦燥感や何も手につかないこの感情を、好き、という言葉以外に表現できる言葉をぼくは持っていなくて、だからやっぱり好きなのだろう。



 これはこんな誰もみてないようなブログじゃないと書けないことだなあ。



 でもいったいあの子はどこの誰なのだろう。昔も今も惚れっぽくて、一目惚れはよくあることで、一目惚れはたいてい相手はどこの誰だか分からないわけで、けれど今回のそれは一目惚れではないのに、彼女がどこの誰だか分からない。



 というか、顔も分からないし、声も知らない。そんな状態で、本当に好きだなんて言葉は使っていいのだろうか。
 感情が加速していく夜なのさ。

 明日は雨が降らなければいいなあ。いっそのこと、とことん暑くなってくれればいい。

 そしたら、ぼくは北へ向かうだろう。一目散に。風のように。

ぼくの心は弱くて脆い。

些細なことでうまく動かなくなる。

ぼくの心はガラスで出来ている。

君の笑顔で粉々に砕けてしまうだろう。

たとえばそれは、あの暑い日のこと。
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