さあ、呼吸を始めよう。
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<村木道彦>
期して待つなにもなければ照り翳りはげしき夏としるしおくのみ
ああつとに殺意も狂気もなくなりて在り経ればあと死するばかりよ
失恋の<われ>をしばらく刑に処す アイスクリーム断ちという刑
欲望はうつむきがちにくるものを たとえば夏代さんというひと
きみはきみばかりを愛しぼくはぼくばかりのおもいに逢う星の夜
するだろう ぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら
はつなつや わがかりそめの恋さえも孤独というをしらしむるため
おのずからみずのながれにみいりたる少年なんの思いにやつる
みずいろのゼリーがあれば 皿のうえにきままきまぐれのみつるゆうがた
ふかづめの手をポケットにづんといれ みづのしたたるようなゆふぐれ
水風呂にみずみちたればとっぷりとくれてうたえるただ麦畑
せいしゅんはあらしのごときなみだとも いわんかたなく夏きたりけり
ややよごれているガラスごしみはるかす金のむぎばた 銀の憂愁
スペアミント・ガムを噛みつつわかものがセックスというときのはやくち
めをほそめみるものなべてあやうきか あやうし緋色の一脚の椅子
ひだりからみぎてににもつもちかえてまたあるきだすときの優しさ
一。そしてなお、空にも虚構あるごとく朗々として雲そそりたち
期して待つなにもなければ照り翳りはげしき夏としるしおくのみ
ああつとに殺意も狂気もなくなりて在り経ればあと死するばかりよ
失恋の<われ>をしばらく刑に処す アイスクリーム断ちという刑
欲望はうつむきがちにくるものを たとえば夏代さんというひと
きみはきみばかりを愛しぼくはぼくばかりのおもいに逢う星の夜
するだろう ぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら
はつなつや わがかりそめの恋さえも孤独というをしらしむるため
おのずからみずのながれにみいりたる少年なんの思いにやつる
みずいろのゼリーがあれば 皿のうえにきままきまぐれのみつるゆうがた
ふかづめの手をポケットにづんといれ みづのしたたるようなゆふぐれ
水風呂にみずみちたればとっぷりとくれてうたえるただ麦畑
せいしゅんはあらしのごときなみだとも いわんかたなく夏きたりけり
ややよごれているガラスごしみはるかす金のむぎばた 銀の憂愁
スペアミント・ガムを噛みつつわかものがセックスというときのはやくち
めをほそめみるものなべてあやうきか あやうし緋色の一脚の椅子
ひだりからみぎてににもつもちかえてまたあるきだすときの優しさ
一。そしてなお、空にも虚構あるごとく朗々として雲そそりたち
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