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さあ、呼吸を始めよう。
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風鈴を鳴らしつづける風鈴屋 世界が海におおわれるまで


ぼんやりと街のはずれに生えている水銀灯でありたいわたし


こなゆきのみるみるふるは天界に蛾の老王の身をふるうわざ


いつまでも薬はにがいみどりめくめがねの玉をみがきにみがく


押しこんでぎしぎしかけたかけがねがひかるたとえば春の砂場に


いくとせののちあけがたにくる人は口にみどりの蝉をふくんで


白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく


みずうみの舟とその影ひらかれた莢のかたちに晩夏を運ぶ


秋の日のミルクスタンドに空瓶の光を立てて父みな帰る


さくらんぼ深紅の雨のように降るアルトの声の叔母のお皿に


牛乳瓶二本ならんでとうめいに牛乳瓶の神さまを待つ


てのひらに卵をうけたところからひずみはじめる星の重力


水に身をふかくさしこむよろこびのふとにんげんに似ているわたし


虚空からつかみとりては虚空へとはなつ詩人の手つき花火は


淹れたての麦茶が澄んでゆくまでを沈める寺に水泡立つ見ゆ


秋天の真青の襞にひとしずく真珠くるしく浮くまでを見つ  


もくもくと結び蒟蒻むすびつつたましいすこしねじれているか  


エヴァ・ブラウンそのくちびるの青きこと世界を敵と呼ぶひとといて  


まよなかにポストは鳴りぬ試供用石鹸ふかく落としこまれて  


ひともとの短歌を海に投げこんでこれが最後のばら園のばら


胃の底にいま銀時計まいおりて井戸の眠りをねむる肉体


麺麭という言(ことば)やさしく山をなす午前八時の街のパン籠


泉とはいかなるところ鹿の目をしているきっといまのわたしは


瞼とは貧しい衣 光を、とパイナップルに刃を入れるとき


抹香鯨(まっこう)の小骨しらべるしぐさにて煙草(シガレット)抜くきみも時間だ


人工衛星群れつどわせてほたるなすほのかな胸であった 地球は


こんなにもきれいにはずれる翅をもつ蝉はただひとたびの建物


あおむけに水から空へほうられていつかわたしは矢をもたぬ弓


甘美なるかたむきはありチェリストにてをはなさるるチェロのこころに


眼鏡屋は夕ぐれのため千枚のレンズをみがく(わたしはここだ)


水に降る雪のごとくにこなぐすりこころに受けてやがて忘れぬ


通過・通過・通過電車が連れてくる春はるかなるみどりの火種


雨はなぜしずくのかたちはらはらと春のあなたをうつくしくする


ひどい雨 おおひどい雨 ましろなる瞑目をいま街はよろこぶ


ふうらりと焼きたてパンの列につく明日という日もあるものとして


ヘンゼルとグレーテルだね 段ボールだらけの春の闇にねむれば


アッシジの聖者というは第三の性の声もつ者か小鳥よ


敷石のあいだあいだのハルジョオンなにかがもっとよくなるように


むらさきの雲が窓まで下りてきておそろし春の祭典おそろし


ふれられぬはだれゆきふる城はありワインボトルのラベルの奥に


窓を開け放てば冬がなだれきてわたしの耳は大空の耳


舌の上を詩篇ひとひら泳ぎだす未知の都のあかりの方へ


真夜中の豆電球のこんこんとこの世の泉この世にひとり


うつせみがきょうもたくさんハンガーにわたしを脱いだわたしを掛ける


どんなにかさびしい白い指先で置きたまいしか地球に富士を


吊革にあたまつければものすごい速さで離れゆくものばかり


ゆっくりとミシンを漕げばゆっくりと銀のお告げが滴りおちる


袖口であつあつの鍋つかみざまいのちのはてへはこぶ湯豆腐


木枯らしの声にまぎれて公園をよぎる駱駝はおるかいな月


手袋をいつも片方なくすのとなげくあなたがいちばん綺麗


夕雲の指をもたないにんげんと交わる春のからだはさびし


UFJ、みずほ、あさひをへめぐりてゆく間のまるでたからもの 雪


くる秋の銀の消防栓のうえ帽子を忘れましたねあなた


宇宙塵うっすらふりつもるけはいレポート用紙の緑の罫に


もうわたしは朝の光りだ聞こえない人魚の歌が窓辺にさわぐ


草原が薄目をあけるおりおりの水おと ここも銀河のほとり


青空が折りたたまれてあるまひる曲がり角とはいたましい場所


風を聞く 踵をなくしてしまうまで帰るところが海と知るまで


おびただしい星におびえる子もやがておぼえるだろう目の閉じ方を


レモンレモン床いっぱいの不発弾ひとつひとつをひろうかの日々


こうこうと回送電車ながれゆくゆうべの宇宙のうつろを抱いて


ロケットのかがやくあしたあのひとはひとりで泣いて忘れるのだろう


ドロップスちいさな舌に溶けるまで呼び合う線路のあちらとこちら


昼ふかく浄土に雨の降るを待つ錦糸卵を切りそろえつつ


冬の夜の百物語はじめたるひとの内耳のうすあかりかな


胸おもくまろくかかえて鳥たちははつなつ空の果実となりぬ


乳ふさをもたない鳥としてあるくぼくを青空が突きぬけてゆく


ふゆぞらふかく咬みあう枝のあらわにもぼくらはうつくしきコンポジション


定住のならいさびしいこの星のおもてをあゆむ庭から庭へ


ゆくりなく夕ぐれあふれ街じゅうの眼鏡のレンズふるえはじめる


ふたしかな星座のようにきみがいる団地を抱いてうつくしい街


あしのうら風に吹かせてあたしたち二度と交わらない宇宙船


敷石に触れるさくらのはなびらの肉片ほどの熱さか死期は


腿ふとく風の男に騎られてはみどりの声を帯びゆくさくら


風の舌かくまで青く挿しこまれ五月の星は襞をふかくす


桐の花ふりてふれくるふところをおそるるにこのうすむらさきは


生きのびたひとの眼窩よ あおじろくひかる夜空のひとすみに水


箱蜜柑ざわめきいたり星ほどの冷えなしながら夜の廊下に


もくもくと結び蒟蒻むすびつつたましいすこしねじれているか


地震(ない)深し銀のボウルにたふたふとココアパウダーふりこぼすとき


本ゆずりうけたるのちを死でうすく貼りあわされた春空、われら


唐ひとの骨がほんのりにおうまでカップを載せたてのひら はだか


神さまのかたち知らないままに来て驢馬とわたしとおるがんの前


いらんかね耳いらんかね 青空の奥のおるがんうるわしい日に

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前髪をきれいにそろえたきみの目に光った世界を覚えておくよ




右足が割れたらぼくのたましいがもれてしまうよ 手をつないで




水滴の消えてしまった七月の星がゆらいだ「逢えてよかった」




きずぐちをむきだしにしていつまでも それがいつでも若者のすべて




ぼくたちはいつもいつでも遅いのだ 雪も花もいつか消えるさ




あの夏が世界の終わりであったのだ ただ一輪のひまわり残し




雪の降る速度がにわかに速くなりこたつはぼくの王国である




冠雪の山をはるかに見つけをり君はく息も白くなりゆく




初雪がしずかに庭につもるようきみへの言葉もふえつづけてる




ゆうぐれのマーガレットのまぶしさとたましひひとつの存在感と




ゆるやかに坂をのぼりつもう元に戻らぬものがあるのだと思う




少年よひっそりと立つ銀杏より灯台になれ光を放て

あけましておめでとうございます。

本当はミクシーのほうに書こうと思ったのだけど、最近こっちに書いていなかったので、とりあえずこっちに書いてみます。

ミクシーにはまた後で書くでしょう。

というわけであっというまに2010年になってしまった。

早すぎるというかなんというか。10年前、2000年のことを思い出してみると、2010年なんてほとんど永遠ほどに遠い未来で、ましてや23歳の自分のことなどこれっぽっちも想像していなかった。できなかった。

10年前というと、13歳の中学一年で頭の中はほとんど好きな女の子のことばかりで、あとは少しの勉強と音楽と本と、えっとそれぐらいしか考えていなかったと思う。

基本的には好きな子のことばかり考えていた。

とはいえ何かどうにかなれたらいいなんてことはなく、ひたすらに自家発電な日々を過ごしていた気がする。

まあ、それはそうだろう。

とにかく、それからいろんなことがたくさんあるようであっというまの10年が過ぎ去り、もうすべては過去のこと。その10年で何か変わったかと云われればよく分からないと返してしまうようなそんな経験しかしたことがないぼくだけれども、これからの10年(今年とは云わない)はもう少ししっかりできたらいいなあと思う。

これからの10年も果てしないようできっとあっというまのことだろう。

33歳になって振り返ったとき、まあいろいろあったけど全体的にはよかったんじゃない、と軽い気持ちで思えるような十年だったなら、それはきっと最高の10年だと思う。

そのための重要な一年にきっと今年はなるのだろう。

気負わず、気張らず、いつも通りででも去年よりはいい年になったらいいなあ。

うん、きっとなるはずだ。

そう思って今日はもう寝る。

今日みる夢が初夢なんだっけ?違うかな。

どっちにしろいい夢見れますように。
そこで旅に出たのだ。


旅に出て、これからのこと、これからの人生のこと、自分自身のこと、それからそれ以外のあらゆることを考える時間が彼には必要だったのだ。



彼は旅先のあらゆる場所であらゆることについた考えを巡らした。

けれども答えは見つからない。

いつしか彼は、終着駅のホームの端にたっている自分に気づくことになる。
分からないよ。

できるなら、小さなロウソクほどでいいから、何か道しるべがほしい。

月さえも照らしてくれないのだから。
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