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さあ、呼吸を始めよう。
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衝動、と云ったら分からないが、何かしたい何かしなきゃいけないと思いがぐつぐつふつふつ渦巻いている。

こんな夜中にも寝ていられない。

本も読んでいられない。

音楽すらも。

頭が痛いのが治ったわけでないが、何かこのままじゃいけないような気がして怖い。

大学にもたいして行かず、バイトをするわけでもなく、たまに出かけては本を買って漫画を買ってコーヒー飲んで帰ってくる生活。

なんなのだそれは。

生活なのか。

生きているのか。

もう分からぬ。

川上未映子のエッセイを読んでいたら、とてつもなく居たたまれなくなってきた。

バイトをしよう。

短歌を詠もう。

文章を書こう。

本を読もう。

恋をしよう。
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君からの返事がこないなら、太陽なんて昇らなければいい。

そんな想いも短歌にできずに、もがいている姿はきっと滑稽だろう。

ならば、僕は世界中の「愛」や「love」に火を放とう。

火を放ってすべて灰にしてしまおう。

燃え上がる愛はきっと美しいのだろう。

そして、その灰は空高く舞い上がり、この星を覆い隠してくれる。

そしたら、どうなるか――。





止められるのは、唯一、君だけだ。


返事のこない手紙の届くのを待つのはつらい。

夜明けまで、あと三時間。

君の言葉と太陽を待つ。
 九月十五日、海穏やか、食後デッキでタバコを喫つてゐると近くで水煙が上がつた、船を面白がり併走してゐるらしく何度も吹き上げる、やがて波間に背を覗かせた、一度船員室に戻つて是を書いてゐる、外では記しておくべきを幾つも思ひ付いたといふのに既に殆ど忘れてゐる、海風に溶けてしまった、近頃の自分は色々な事を忘れがちだ、思想も詩句も意地も悲しみも海の風には敵わない、波音にも敵はない、そもそも自分といふ存在からして彼勇魚の一瞬の夢かも知れぬ。
 海暮らしが続くと陸での思ひ出がみな昨夜の夢か妄想かに思へてくる、家族も友も今頃は自分を、彼奴は幻だつたとでも感じてゐるだらう、いつそ生身の自分は誰からも忘れられてしまひたい感じる事がある、ただ手紙のインキの染みとして彼等を未来で待ち受けたい、自分は一刹那の永遠である、海の上では何故だかそう確信できる。
 雲の加減で、デッキに落ちた自分の影が丸亀や神戸での其をを思はせる美しい紫に移ろつたが、直ぐさま黒々たる生命体に返つた、影は一切を記憶してゐる、長らく海に出てゐると生身と影が入れ替はつてしまふらしい、ならば仕方ない、運命ばかりは抗へぬ、いつそこのまま希薄になり透明になり、代はりに自分は海にも陸にも濃き影を遺そう、小さき闇は何人かが灯せし焔を赤く輝かせるだらう、再びデッキへの扉を開き風と波の狭間へと出てゆく此身を焦がすがいい、太陽、俺は此処に居る。

              (津原泰水『赤き竪琴』)
いつわりの言葉ばかりを重ねてる 物語さえはじめられずに

やわらかな陽ざしのなかにたつ案山子 地平線には君をかくして

オリオンの三連星に溶けていく それははるかな冬のはじまり

ふたしかな想いを河にながす日よまぼろしの星きらめいてあり

木枯らしのびゅうびゅうと吹く荒野にはなにものも亡き 吾の心も

十月と十一月の底におり君の声も我には聞こえず

寒々と皮膚と空気に隔たれし君との距離を測れり われは

そらいろのソーダのごとき抒情ごとすべてひとりで飲み干して知る

イヤフォンのプラグの孔をさがしてる 目鼻口耳どれでもなくて

点滅の赤信号に遮られ もしもしぼくの声は聞こえる?

若人が病院で死ぬものがたり あまねく涙はとうに渇きし

誰そ彼の環状線にのる子らの背にある荷物の重さを教えよ

星々の写真を撮りし人の眼のかがやきさへも我には眩し

あの空の雲があなたの顔に見え明日あなたに会える気がした
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